※七人の内の誰かが死んじゃいました
多分僕はひどくむしゃくしゃしてるんだ。でなきゃきっとそんなことはしないし、してどうなるんだということは自分が一番わかってる。
勝手に死ぬなんて許さないと言ってカオルの腕を掴んで乱暴にこっちを向かせた。その顔がすごくはっとしたようになるから僕はますます掴んだ手に力を込めてしまう。
カオルは忘れてる、忘れてるんだ僕のことを。そう思えば思うほどいやになった。
縁の浅い僕も呼ばれた葬式で、カオルはいっそう無口だった。誰もが泣いていた中で、カオルと僕だけが泣いていなかった。
カオルの目がずっとあの遺影に写ってた人を見ていたのを僕は知っていた。僕がむかしずっと望んでいたように、あの難しい顔を少し和らげて、楽しそうに話していたのも知っている。
なんで泣かないのカオル。泣けばいいじゃないか、そうやって泣いて忘れてよ、どうしていつまでも抱えるの。
どうしてそんなに消えそうなくらい遠くを見るの。
「…死なない」
それこそ吹けばすっと空気に馴染んでしまいそうなほどか細い言葉だった。カオルは情けない顔をして僕の頭を撫でた。
うそつき、と言った僕の言葉なんて、カオルはきっと聞いてもいないだろう。
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ルイカオ。片思い大好きです。
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