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烙印

2025.09.10 Wed 「 [PR]
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2008.06.29 Sun 「 そんな顔をしたって携帯
※七人の内の誰かが死んじゃいました


多分僕はひどくむしゃくしゃしてるんだ。でなきゃきっとそんなことはしないし、してどうなるんだということは自分が一番わかってる。

勝手に死ぬなんて許さないと言ってカオルの腕を掴んで乱暴にこっちを向かせた。その顔がすごくはっとしたようになるから僕はますます掴んだ手に力を込めてしまう。
カオルは忘れてる、忘れてるんだ僕のことを。そう思えば思うほどいやになった。
縁の浅い僕も呼ばれた葬式で、カオルはいっそう無口だった。誰もが泣いていた中で、カオルと僕だけが泣いていなかった。
カオルの目がずっとあの遺影に写ってた人を見ていたのを僕は知っていた。僕がむかしずっと望んでいたように、あの難しい顔を少し和らげて、楽しそうに話していたのも知っている。
なんで泣かないのカオル。泣けばいいじゃないか、そうやって泣いて忘れてよ、どうしていつまでも抱えるの。
どうしてそんなに消えそうなくらい遠くを見るの。
「…死なない」
それこそ吹けばすっと空気に馴染んでしまいそうなほどか細い言葉だった。カオルは情けない顔をして僕の頭を撫でた。
うそつき、と言った僕の言葉なんて、カオルはきっと聞いてもいないだろう。


***
ルイカオ。片思い大好きです。
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2008.03.20 Thu 「 人間定義携帯
「人は生まれたらどこにいくの」

彼女の言葉につまるところなんの意味もないのだ。くだらない言葉遊びの一つで、単純な興味本意。もともと何を考えているのかよくわからない彼女の真意など、探ろうとも思えなかった。る
それでも僕は律義に口を開くことにした。それが契約主からの言い付けなのだ。
「人間は生まれたら死に向かうんだ」
「…死ぬために、生まれるの?」
「…いや、なんのためにも、生まれない」
つまらない質問だ。僕は悟られないようにこっそり音のない舌打ちをする。
命の重さとか死ぬ意味とか生きる意味とか、そんなものはどうでもいい。結局のところ、生まれた意味も死んでいく意味もありはしないのだ。それは理であり理屈であって、意味を成すものではない。ただ僕たちは生まれ、死んでいく。死は平等であり、重さのあるものではない。ただ遅いか早いかのみなのだ。
「…セレナ、じゃあ大事な人が死ぬことに、意味はない?」
彼女が、サリナがふと、真摯な顔をした。いつも眠そうにしている瞼をすっと開き、じっとこちらを見る。
「……どういう意味だ」
「…わかんない。でも、好きなひとには、わたし、なんの意味もないなんて思いたくないの」
それは人間がどこにいくかじゃない。ただ自分の勝手な気持ちじゃないのか。
言ってやってもよかったのに、何故か僕はそのときそうだなと珍しくも他人の意見に同調してしまった。でないと自分がなんのためにここにいるのか、わからなくなるからかもしれない。
(ああ、でも、なんで)



***
久々一次。
書き始めたときは書きたいことが漠然とあったんですが、途中で意味がわからなくなったので適当に切ります。すみません、わかりづらいにもほどがある(死
2008.03.20 Thu 「 なんて、子供じみてる携帯
僕はこうして、君なんかの言葉をずっと聞き続けている。

(あとをおうことをかんがえるより、ずっとましなていこうにおもえたから)



私的メモ。
山ヒバで山本がいなくなるはなしをずっと考えて形になってません
2008.02.04 Mon 「 涙色の雫携帯
目が覚めると、視界が涙に濡れていた。

「-…?」

慌て拭うも、次から次へと溢れてくる涙にディーノは呆然として、ただただぼろぼろ泣いた。
かなしいゆめをみたらしい、おれは。
でも思い出せ無い。こんなに胸が苦しいくらいどくんどくんと鳴っているのに。

「…どうしたぁ?」

身近な声にびくりと肩を揺らす。
ふと、此処が図書室だったことを思い出した。
課題が、あって。書かないと留年かもしれなくて、それで、図書室で二人して調べて、それから…。

「すく、あーろ…」

頬杖をついて、本に目を通してるフリをしてる彼の名前をたどたどしく口にする。彼は気まずそうにディーノの方へ視線を寄越し、透明涙を見付けると眉根を更に寄せた。
銀色の歪んだ視界で、ディーノは更に鼓動を早くする。

「…夢見でも悪かったのかよ」

こくり、と頷くと、はぁと呆れたようなため息が聞こえる。ディーノはますます縮こまり、俯くと、ぽろぽろ流れた涙が垂直に落ちていく。

-すっ、と延びてきた腕に驚いて顔をあげた。

スクアーロが身を乗り出し、拭った涙をぺろりと舐めた。

「しょっぱ…」
「ちょ、す、すくあーろ!なな何すんだよお前!」
「阿呆、そんだけ元気あんならとっとと続きやるぞぉ」

突然のことに紅潮する頬を無視して喚くけれど、スクアーロは動じた様子も無く元のように座り直し、本を読み始める。
からかわれた、そう思ってむくれて睨み付けていると、スクアーロと目が合う。

「寝るんなら、そのあと俺の傍で寝ろ。怖い夢なら助けてやる」


--ころしもんくだ、そんなの。
気が付くと、涙も止まっていた。




****
ディーノさんハッピーバースデー!
予想外に恥ずかしい話になって穴に埋もれたくてしょうがないです。
2008.02.03 Sun 「 沈みゆく携帯
じんじんする。
感覚の問題だった。怪我なんて慣れっこだし、こんなことは日常茶飯事だし、野球も彼も好きだから一緒にいるのだ。別に構わない。
でもこれとそれとは別なのだ。矛盾しているけれど、そうなのだ。
舌でちろりと確かめるように触れると、口の中がざらざらして、皮がつるんと剥けた不味いリンゴのようにじゃりじゃりと皮膚を溶かし続けているのがわかる。
味覚は血独特のしょっぱさで汚染されていて、ただ呼吸のために少しだけ開いた唇がれろれろした。
ゆっくりと膨らんでいく左のほっぺたの皮。それにだって、いつまで経っても慣れないことには変わりない。
人から思いっきり殴られる。それは痛いからやるのだ。俺が。だから、痛い。
嗚呼でも、今は少しだけそれを忘れていてもいいような気がした。
ほんの少し舌を伸ばせば届くような位置に、あんたの顔がある。
「ヒバリ」
にこり、と俺は笑った、はずだ。でも自信ない。
あんたはもしかしたら知らないかもしれないけど、痛いのに笑うのは結構疲れるものなんだぜ?
人を安心させるためとか、そういう理屈でもなきゃ努力してなんとかなるようなモンでもない。だから、疲れる。
筋肉が筋張って、涙腺に直結しそうな痛み。感じる事なんてあんたは無いんだろう。少なくとも俺みたいにそんな道化じみた笑顔、あんたは作らなくていいんだから。
「ヒバリ、」
もう一回呼称しても、雲雀は俺の方を向かない。
挑発的な丸い物を従えて、ただじっと床を睨んでる。少しだけ伏せられた睫毛。それを綺麗だと思う。
壁に追い詰めて。あんたが、そんな俺の罠にあっさり掛かってくれるなんて、あり得ない。知ってるよ。なぁ。
顎を丁寧に掴んで、俺はその真っ黒い瞳を捕らえた。濡れた瞳。
見せつけるようにしてぎゅと閉じられた唇にキスしてやると、雲雀は諦めたように目を閉じて、それから血の味に顔を顰める。
でもわかってるよ、そのうちその血があんたの深い深い海の底をじんわり汚しては狂わせるって。
どうでもいいことを思いながらも、自分の血を舌で掬って、雲雀の奥歯に塗りこんでやった。
苦しそうに顰められた眉を、俺はこっそり盗み見た。




発掘山ヒバ。拍手にしようとして諦めた。

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