利用されているのはなんとなくわかってた。それにどんな意味があるのか僕にはわからなかったけれど、感心があっても理解は出来ないだろうということはなんとなくわかっていた(我ながらひどい矛盾だ)。
“ヒト”とはなんなのだろう。何故そんなにも人の死にうろたえ涙を流し打ちひしがれながら震え、絶望してしまうんだろう。
それでも彼に、どんな理由であろうと頼られることは何となく嬉しかったのだ。馬鹿らしい話なのだけれど。
「でも、君はきっと信じないんだろうね」
ぽつり、と彼がいなくなった部屋で呟く。唇に残る湿った感触。温かいと思った一瞬が、今では嘘のようにとても冷たい。
--そんなにファーストが好きなのか。
ああ、どこかで感じた苦しさだ。最近感じたもどかしさだ。
さみしい、なんて言葉。生まれて始めて使ってしまいそうで、僕は溜息をついて雑誌を取り上げた。気を紛らわせられれば、なんでもよかった。
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十巻のカヲシン、ていうかカヲ→シンレイ。好きすぎる(笑)
これからは貞本エヴァカヲル好きでいきます真面目に。
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