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烙印

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2007.06.12 Tue 「 OBOV:01携帯
(きみがあんまり繊細に傷つくものだから)

荒治療が効いたのかどうかは、あんまり想像がつかなかった。だって、別に医者のまね事をしたんじゃない。自分に対して行ういつもの応急処置を、他人に応用してやっただけなのだ。銃弾を引っこ抜いて(麻酔は無し)、傷口適当に縫って(勿論同上)薬も塗らずに包帯巻いただけだし。
けれど驚いたことに、餓鬼は素直に痛いと喚いた。あれだけ醒めた野郎だったから、歯でも食いしばって我慢するかと思えば。どうにかも痛感を受け止めやすい体らしい。情けない。
「ま、大方どこかの坊ちゃんってところか」
「………」
暫くしてからそうやって言ってやると、黙って首を振る。おーおー、涙浮かべてご立派ご立派。それだけの仏頂面が何故作れる。
「にしちゃあ堪えようねぇぞ。こんな暗い場所で倒れてた割には」
「…別に、関係ないだろ」
「へぇ?」
その顔はどうにも傷付いて見えたので、まぁしょうがないということにして、それ以上の詮索は止めて俺は餓鬼の赤く汚れた服を洗濯籠にぽいと捨てた。

さぁ、面倒になってきた。




配布元⇒
http://id12.fm-p.jp/2/Fascinating/

何処へ向かうかしかはっきりしてなくて繋がらない…
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2007.06.10 Sun 「 廻り携帯
※骸髑死ネタです


「凪、」

声がする。そう、微かな意識が告げている。起きなくちゃいけない。彼が呼んでいるのだ。そうだ、私は起きなくちゃ、

「…むくろ、さ…ま」

唇が動く度、切れた咥内が軋む。言葉なんか出てこない。でも答えなければいけないんだ。骸様が私を呼んで下さるなら、いつだってどんな時だって笑ってみせる。だから、出来るだけ口角を上げて、その二色の瞳を片目で見上げる。元々そんなに左目の視力は良くないから、意識が朦朧としたこんな中では陽炎のようにゆらゆらと、その六の文字が瞳の中で揺れていた。

「きみは、もう眠ってしまうのですか」
「……」

内臓がずきずきと痛む感覚を覚える。空っぽのはずな右目が疼く。でも、それ意外のものは全て曖昧で、鳴呼、貴方がくれたもの以外、私の身体はあの時に死んでいたんだって、漸く悟った。
だからもう、限界なんだ。多分。息を吸い込んで吐き出して、心臓だけ早鐘を打って、血液が逆流している。もう駄目なんだろう。だから私は少しだけこくりと頷いた。

「そうですか。残念です、凪……いえ、クローム髑髏」

きっぱりとした声。ちっとも残念そうじゃないすっぱりした声。でも六の字は相変わらず揺れていた。ゆらゆら。

「…おやすみなさい」

また輪廻の果てで。
額に触れた温かな唇。軽いリップ音と共に離れたそれに、私は目尻に溜まった涙を瞬きして落とす。それから静かに目を閉じて、おやすみなさいと返した。
口の中は結局塩っ辛くて、伝った涙はしょっぱかったけれど、それらはまるで睡眠薬のように自分の体へと浸透していく。私は急速に世界から遠ざかっていくことを知りながらも、幾度も巡る彼が寂しく無いことを切に思うことしか出来なかった。




千種より髑髏ちゃんのほうがそれっぽかったからこっちに。
6/10は六道さんの日ですよ-。ということで(笑)
2007.06.08 Fri 「 心配携帯
「お気楽な守り方もあったものですね」

皮肉は喉の奥から面白いくらいつるりと流れる。舌に残った味はとても苦くて、しょっぱい。それだけで、吐き出された言葉がどれだけ鋭利で尖っていたのかなんて、僕は知ることが出来ない。だから、そんな痛そうな貴方の顔なんて、見ていない。そういうことにしたかった。

「……ごめんな」

乾いた空気に血で濡れた髪を揺らし、揃いの瞳をそっと瞼で隠す彼は、ディーノはまるで幻のような淡さだ。甘いだけでないくせに何処か夢見がちで、まだ少年の頃を信じている。そういう緩慢で灰色の、冷たく曇った甘味のような。

「でも、お前が無事でよかったよ、骸」
「………余計なことを、」

マフィアに助けられるなんて屈辱だ。
そうやって辛辣に言い捨てると、相手は悲壮に表情を歪める。知らない。彼が、勝手に助けたのだ、関係なんか、関係なんか

「貴方なんか、」


(自分が傷付いて助けただなんて、そんな身勝手な)





刺激を受けてディノむく。
微妙だな…
2007.06.06 Wed 「 嘘つき、携帯
「愛していますよ」

一言、
その一言。
僕は鋭利でやけにぎらぎらしたその言葉を、咀嚼しては飲み込んで。噛み砕いては吐き出した。
彼は実にあっさりと愛を語る。薄い唇で、薄っぺらい言葉を口にする。鳴呼ねぇ、君の首の辺りをゆっくりゆっくり絞めて息を絶えさせてしまえばどんなにすっきりするんだろう。苦痛に歪んだその顔に唾を吐き出してやったら、さぞかし愉快そうだ。

「……雲雀くん?」
「…………きみは、」

頭が悪いね。そう言ってみたかった。でも気付いたら口をつぐんでいた。何が言いたいんだろう。別に彼が僕を好きでも愛していてもいいじゃないか。僕にはなんにも関係無い。彼が僕を望もうが望まなかろうが、僕は彼に嫌悪しか抱かないし寧ろ殺したくて殺したくて堪らない。
だからまだ、つき続けていよう。

「……死にたいの?」
「いいえ。僕はきっと、殺す方がお似合いだ」

ねぇ、雲雀くん。

そう言って、僕の髪をさらりと撫でる黒い革の手袋。引き攣った感触。振り払ってしまうのもいいかと思ったけれど、そんな感情的になりたい気分じゃなかったから、大人しく目をつむって彼がしたいようにさせてやる。
知ってたよ、それだけは本心だって。
これは恋情の宴じゃない。殺し合いの舞台なのだと。
だから、
だからせめて、今は。

(君が望んだ通りの恋愛ごっこに付き合ってあげようじゃないか)




骸ヒバなのかどうなのか。
2007.06.05 Tue 「 (no subject)携帯
予想外(そんな、泣きそうなくらい真っすぐな言葉だなんて)
依存(だとしても、お前は俺を愛さずにはいられないんだろう?)
過去(こんなの狡いかもしれないけど、あの時痛かったのはお前だけじゃなかったんだ)
追憶(ぁ、もう触っても平気なのか)
駆除(この子に触らないでくれるかな)
余裕(その不機嫌な顔、見返して笑えるように)
博愛(アイツ、壊れたのか?)
無理(お前に合わせて笑うの、もう疲れたんだ)
傷痕(くだらないお伽話で構わないから、今だけは)
孤独(なぁ、寂しくねぇ?)
復讐(僕がすべてを笑って許せてしまうくらい、優しいだなんて思わないで)
賭博(お前が選んだんだ、文句はないだろう?勿論)
虚像(確かに俺は、あのふたりの替わりを求めていたのかもしれない。…けど、)
失望(マウンドに立っても、もう投げた先に貴方のいないことを自覚したくなんてなくて)


*****



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