どうしてもあいつがいいのかよ。
言いかけたその言葉を無理矢理押し込んだ。そんなこと、俺に聞けるはず無かった。分かってる。分かってる癖に俺は、その苦い飴玉みたいな言葉を何度も口の中で転がしてる。どんどん小さくなっていくのに、舌の上は苦いばっかりだ。
「どうしたんだよ」
柄にも無く、そう言っていつもの皮肉ったらしい笑顔を浮かべたネズミを綺麗だと思う。情けない。なんでこんな奴を、どうしてこんな奴なんかを。唇を噛み締める。
あいつじゃなきゃ、だめなのか?
今度こそ前を見て、奴の目ン玉の中をじっと見た。不思議な灰色。曇り空でもなければ打ちっぱなしのコンクリートの色でも無い。その目はいつからこんなに澄むようになったんだろう。相変わらず皮肉っぽくて、遠慮無しで生意気。それなのに、なにが。
「…おい、なんだよ」
不審そうな目。へぇ、こんな表情出来たのか。そんなことに気がついて急におかしくなる。別にィ、なんてけらけら笑って、犬達を引き連れじゃあなと背を向けた。
……鳴呼、敵わない。彼に救われたのはネズミだけじゃないから、よくわかる。あんな甘ちゃんで、何も知らない阿呆なのに、救えてしまうのだ、彼は。言葉一つで。泣きそうだ。俺は苦い言葉一つ満足に味わえ無いのに。
紫ネズ←イヌ。好き。
三巻までしか読んで無いから色々認識間違ってそうですが。
***
こんなところで本家拍手レス(ぁ
追記機能までは使えなかったので。非常用。
筑波様>
ぉお!見てもらえてたとは!興奮してもらえたならよかったよ笑
本当はシチュも台詞も一緒で乙女キョンくん視点にしようかと思ったんだけど原作の一人称が好き過ぎるので急遽古泉だけをかわいそうにしました(←
だから是非乙女キョンを書いて!!期待してます笑
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