きちんとフラレたらすっきりしただなんて、なんという皮肉だろう。
栗色の髪。琥珀の瞳。はにかんだような笑顔に、暗い暗い過去に重たい重たい鎖を持った、少女。
好きだった。憧れだった。
それだけは、確か。
今でも彼女のいいところ悪いところ大好きなところ嫌いなところ、書き始めたら彼にだって勝てる自信がある。
なのに、何故、
「--ああ、なんで、もう溶けちゃったはずなのに」
どうして僕は、君に敵わない。
君はもう、あの子をモノになど出来はしないのに。
零れたのが生暖かな涙でよかった。彼にもまだきっと、呆れ顔をされる程度。
…いつまで覚えてられるのだろうか。
彼の揺らがない笑顔も、この、今の彼女への思いも。
竜は考えてから畜生と口にした。涙は、情けないことに止まらなかった。
前日に引き続き。本当に書き直したい…。竜の馬鹿っぷりを書きたくて仕方ないっ!(爆
PR