無神経な人だ。ぐしゃぐしゃと頭を撫でられながらそんなことを考える。僕がそんな、小さな怪我を負ったからって大変なわけないじゃない。馬鹿にしないでよ。言ってみるのもよかったかもしれないけど、とんでもなく面倒な気がして黙り込んで目を逸らすのが精一杯だった。「無理すんな。」だって。何様のつもり。
大きな掌は僕の頭なんかすっぽり包んでしまう。ほだされているんじゃないかって、少しだけ怖くなる。あったかい手。
もうちょっとだけ今は感じていたいなんて。まさか。僕が?馬鹿馬鹿しい。
それでも何か口にしたくは無かった。手が離れた後も、髪を直すフリをしてその軌跡の後を追う。
むしんけいだ。あなたは。
(僕をこんなにおかしくさせる)
突拍子も無くディノヒバ。
PR