忍者ブログ
烙印

2025.09.09 Tue 「 [PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2012.11.13 Tue 「 君が流す涙があまりにも綺麗だから携帯
雲雀がないた。
 
「やまもと、たけし」
ぽたぽたと垂れる涙があんまりにも綺麗なもんだから、俺は瞬きも忘れて見入った。
雲雀が俺のことを呼んで、泣いている。夢みたいだ。
「やまもとたけし」
ぎゅうと抱き締められても俺はふわふわとしたままで、嗅ぎ慣れた雲雀の匂いをゆっくりと吸い込む。
なあ、ひばり、ひばり。何がこわい?誰に泣かされた?
「きみに」
「おれに?」
雲雀はとうとうと、君は前線に突っ込み、弱いくせにそうやって僕のことを守って死んだ。何にも考えてない君に腹が立って、涙が止まらない。と俺に説教をした。
「よくわかんねーなー。それ、夢?」
「そう」
「…理不尽じゃね?」
楯突くの、と怒られて、俺はよくわからないままごめん、と謝った。雲雀は泣きながら俺をぼかりと殴った。痛い。
「…君は早く強くなって、僕の相手だけしていればいいのに」
「なんかそれ、雲雀に殺されそうだな」
「そうだよ。僕にしか殺されてはダメだよ」
「あはは、ほんと、雲雀は理不尽なのなー」
 
俺にはよくわからない。
最近、ようやく何かとんでもないことに巻き込まれているのだと自覚をし始めたところだ。でもそれでツナや小僧を恨んだりなんかしないし、困っているならいつだって駆けつけて、助けてやりたい。
大事な人を守るためならと、剣士としての覚悟も未来で学んだ。でも今はやっぱり、野球をしていたいと思う自分が、一番自分らしいと思う。
でも、雲雀。俺はお前を守って死んで、そうやって綺麗な涙を流して貰えたら、それはいいことだなあと今少し、思えた。馬鹿みたいかな。なあ。
 
そんなことは口には出さず、代わりにキスでもしようとして、嫌がられた。
理不尽、だ。




**
復活最終回、おめでとうございます。あまり関係ない内容ですが、本当にありがとうを言いたくて。
PR
2011.12.16 Fri 「 10秒、くれてやる携帯
悲しい顔が心底似合わないやつだと思う。ぼんやりと人口の暗い照明に照らされた奴の顔は、ひどくくたびれて、悲しいのを押し殺しているように見えた。透き通った銀髪はまだ少し、濡れている。
思えば、こいつは昔から人前ではが決して泣かない。人の心配の種にはならないように、いつもぴんと背筋を伸ばし、快活に笑う。それがこいつの癖だ、悲しい時の。それが気にくわなくて、それを無理に解かせてしまったのが、そもそもこの関係の始まりだった気がする。
こいつが泣くのは俺の前だけ。
それは面倒臭く、らしくもない優越感にも俺を浸らせる。
だから、
「十秒だけ、お前の好きにさせてやろうか」
薄い色彩の瞳を覆う瞼をぱちぱちと瞬かせ、ルイは口元を苦笑するように歪める。
「それじゃ、キスくらいしか出来ないじゃない」
「しないのか」
「…ずるいなあ」

笑わせてやるのも、俺の役目だろう。


***
発掘ったルイカオ。じぶんで悶えた。さすが俺得
2010.02.26 Fri 「 そうして僕を苦しめる携帯
※デュラの四巻から六巻以降若干ネタバレ

 そう、ありがとう。そう言った帝人は一向に気にした様子はなかった。彼は苦笑の形に表情を作ってはいたものの、頬を赤らめはしなかったし、呼吸は変わらず一定だった。「あいしていますよせんぱい」と口に出しても、つまりそれは、彼にとってどうでもよいことなのだとわかって、ひどくつまらなかった。何がそんなにつまらないのか、青葉にもわからない。ただ彼が少しも自分という存在に興味を持っていないというこの状況はあまり好ましいものではなかったし、火種として手に入れたはずの手駒の一つに、なめられている気がして嫌だったのかもしれない。
(帝人先輩は、よく笑う)
 はずだ。少なくともクラスメートの前では、園原杏里の前では、屈託ない少年のように笑う。にこにこと明るく、まるでこのなんでもない日常を楽しんでいるかのような、そんな笑い方をする。
 でも彼の本当の笑い方はもっともっと異質なものだ。退屈な毎日に見え隠れする非日常。彼はそういうものにこそ、それこそ価値を見出だして笑う。愉快そうに、興奮して、まるで子供のように。
 わかっていますよね、先輩。そう、青葉は問い掛けたくなる。もう遅いのだと。泣いても叫んでも、もうあなたの行く先は、もうあなたのものじゃないのだと。今まで歩んできたあなたの道とはもう大分外れてしまった場所に、あなたは立っているのだと。
 そしてその先に引きずり込むのは、誰でもない自分だけの役目なのだ。そう考えただけで背筋が震えた。興奮と言ってもいい。誰にも渡さない、誰にもこんな素敵なものを渡すものか。
「…帝人、先輩?」
 ふと、長い沈黙に気付いて顔を上げると、彼は先程の作りものじみた苦笑よりももっと嘘くさい、いつもの通りの笑顔を張り付けていた。
「なあに?青葉くん」
 ほら、退屈そうに笑う。もうほんの少し前の言葉はスルーされるらしい。はあ、とため息。どうせそんなことは嘘だからいいのだけれど、嘘だから。これが本当に純情な少年だったら、どんなひどい傷を負うことになるか。この、小悪党め!
 やがて帝人は自分の相手を放棄して携帯電話を取り出した。青葉は携帯を打つその細い指先を目で追いながら、今日も手の中で転がしているはずの、火種の煙で息苦しくなることに忙しい。


***
まさかのこの二人。まあ帝杏のが好きですがね。
リハビリリハビリ。
2008.08.23 Sat 「 罪悪の話携帯
彼は僕のために泣いたりするんだろうか。
彼は僕を思い出してくれたりするんだろうか。

彼の手を離した時にそんなことを考えた。



宇宙の音がする。宇宙服の中で出来た透明な音がする。
耳鳴りだ、これは、僕の罪悪に対する。

(そんなこと認めないだろうけれど)彼は優しいから

きっと僕を思い出して泣いてくれる。
きっと僕のためにずっとずっと忘れないでいてくれる。

ああ、なんて幸福、なんて罪深い。

彼に残した未来が、僕のせいで閉ざされるかもしれないなんて。


(けれど君はきっと、そのうちに僕を忘れるんだ)

優しい君に手を差し延べる優しい誰かを願いながらも、そんな奴が現れるくらいなら君も一緒に連れてきてしまえばよかった、なんて思って、僕は強く目を閉じた。


***
ルイは優しくて矛盾した残酷な生き物だといい。
2008.07.14 Mon 「 コール ユア ネーム携帯
彼のファミリーネームはもちろん知っていたし、そう呼んでる子だっているのも知っている。彼は地球でいう東洋の方を祖先に持っているからか、あまり馴れ馴れしいことを好まない。それ故彼は名前で呼ばれるより寧ろそっちで呼ばれる方を好いていたようだが、男同士となるとそういうのは気持ち悪いのでで僕はカオルをカオルと呼ぶ。彼は僕のことが気に食わないらしいので余計に嫌な顔をする、呼ぶ度に。
僕は部屋が一緒になるまでここまで嫌われているとは思わなかったので、段々と彼の名前を呼ぶということが正直億劫になった。けれど彼に呼び掛けるときをお粗末にはしたくなく、仕方がないのであの気が滅入るほど嫌悪に満ちた顔に睨み付けられることを覚悟で、彼を呼ぶ。

「×××」

一度だけ、ファミリーネームを口にして、彼を呼び止めたことがある。彼は不自然な顔をして立ち止まり、僕を見た。

「………きもちわるい」

カオルはなんだか居心地がひどく悪い顔をしながら、それだけ口にすると僕の用件なんて聞きもせずに行ってしまう。
ひどいなぁと思いながら、変にくすぐったくなるのはどういうことなんだろうか。


***

カオルのファミリーネームが気になる木。とかそういう話。
ABOUT
投下注意警報。頭上注意。
Master No Name Ninja
カレンダー
08 2025/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
リンク
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
最新記事
最新トラックバック
プロフィール
HN:
No Name Ninja
性別:
非公開
バーコード
RSS
ブログ内検索
アーカイブ
最古記事
(05/16)
(05/16)
(05/16)
(05/17)
(05/17)
アクセス解析
アクセス解析